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外壁からわかる屋根リフォームのサイン

自宅の屋根というのは、なかなか自分の目で確かめる機会がないものです。
新築して10年も経つと、リフォームが必要な時期に差し掛かりますが、
状態を見ていないので、どれほど劣化が進んでいるのか、
それともまだそれほど傷んでいないのか、判断しづらいと思います。

リフォームとなると、まず考えられるのは塗り直しだと思いますが、
1、2週間もの間、家全体を足場や養生で囲まれて、窓も思うように開けられないし、
業者の出入りが気になって、なんとなく落ち着かないし、
大きなお金が出て行くし、いろいろ考えると気が重くなります。
家計の資金計画としては、子供の教育費が特に高い年(入学金がかかる年)には、
リフォームを行うのは避けたいなどの事情もあるでしょう。
とは言え、快適な居住性を維持する為にはメンテナンスも大切なイベントです。
様々な要因を加味して、計画的に行いたいですね。

さて、我が家の屋根は今、どういう状態なのだろう、すぐにリフォームが必要なのだろうか。
それを判断することができるチェック方法をご紹介します。
ポイントは外壁です。外壁は、屋根と同じく家を風雨や陽射しから守っているものですから、
その状態をチェックすれば、屋根の状態もある程度想像することができるという考え方です。

雨の降った翌日、外壁に染みが残っていませんか?(防水機能の低下)
外壁にカビやコケが生えていませんか?(外壁が傷んできています)
外壁を触ると、チョークの粉のようなものがつきませんか?(塗料が劣化して粉状になっています)

いかがですか?もし当てはまるようであれば、早めにリフォームされた方が良いでしょう。

屋根の塗り直しはケチるな

そろそろ大切な自宅の屋根の塗り直しを考えているという方には、
「ケチるな」というアドバイスを送りたいと思います。
これはもちろん、何でもいいからお金をたくさんかけろと言っているわけではありません。
いくつかの業者に点検や見積もりを依頼して、比較検討することは大切なポイントです。
でも、同じ塗り直しなら安いのが一番という視点で業者選びをするのは、お勧めしません。

屋根の塗装は、一般的に下塗り1回、上塗り3回の合計4回塗りで完了します。
塗料にもグレードがあり、ウレタン系かシリコン系の塗料がよく使われます。
一昔前のアクリル系塗料は価格が安い分、耐用年数は短く、
現在ではどうしても安く済ませたい場合を除いてあまり使われていません。
また下塗りの前には、足場を組んで作業環境を整え、高圧洗浄で屋根の汚れを落とし、
補修するべき箇所を補修するなどの、下準備も必要になります。
それぞれの塗装工程の間には、乾燥の為の時間も確保しなければなりませんので、
合計すると1~2週間程度の日数がかかるものです。

もし、他よりも飛び抜けて作業が早いことをアピールしたり、
安い見積もりを出してくる業者があったら、塗料のグレードや作業工程についてよく説明を聞き、
依頼するかどうか判断しましょう。
できれば、依頼しようとする業者が実際に屋根のリフォーム工事をした家、
それもリフォームしてから数年が経過した家を見せてもらうのも、判断材料になります。

こんなサインが出たら、屋根のリフォームを

住宅を購入してから10年近くが経過していたら、リフォームを考え始める時期です。
10年も居住すると、もっと快適に暮らす為に変更したい部分が、いろいろと挙げられるかもしれません。
間取りの変更、床材の取り替え、天井・壁クロスの張替え、キッチンやバスルームなどの取り替えなど、
最新の素材や設備を入れて、暮らしのレベルアップを図るのは、気分の良いものです。

ただし、それら全てに優先して手入れをしておきたいのが、屋根と外壁です。
大切な住居を雨風や日光から守り、安らぎの場を確保してくれている立役者を忘れてはいけません。

特に屋根は、一年中厳しい環境にさらされており、メンテナンス時期が遅くなると、
浮いたり、剥がれたりして雨漏りの原因にもなります。雨漏りから漏電につながって火災にでもなったら、
それこそ大ごとです。

屋根の耐用年数は、素材や塗料のグレードによって前後しますが、およそ10年という年月は
手を入れるにはちょうど良い目安と言えるでしょう。
こんなサインが出たら、経過年数に関わらず一度点検を依頼した方が良いというポイントをアドバイスします。

最上階の天井:雨の降った後に染みが出るようなら、雨漏りの可能性大。すぐに業者に連絡しましょう。
下階の屋根:例えば2階から1階の屋根の一部でも見下ろせる場合、浮きや剥がれ、塗装の剥げ落ちを見つけたら、早めに手を入れるべき
強風時の異音:強風時に、それまでは聞かれなかった異音が屋根から聞こえる

他にも気になることがあったら、躊躇せずに業者に相談しましょう。

屋根のリフォーム方法

屋根のリフォームには大きく分けて、三つの方法があります。
屋根材の表面を塗装し直す方法、現在葺いてある屋根の上に、新しい屋根を重ねて葺く方法、
そして現在の屋根を取り外して新しい屋根に葺き替える方法です。

このうち、築10年を過ぎた頃の屋根で、最も多く選択されるのが、表面を塗装し直す方法です。
屋根材、下地材ともにまだそれほど傷んでいないので、塗り直すだけで寿命を延ばしてあげることができます。
三つの方法の中では費用も最も安く、30坪の住宅の場合80万円くらいです。
足場を組んで屋根に上り、カビやコケなどの汚れを落とし、下塗り、仕上げ塗りという順番で仕上げていきます。
それぞれの工程で乾燥させる時間も必要なので、完了するまでにはおよそ1~2週間程度かかります。

現在の屋根の上に新しい屋根を重ねる方法は、カバー工法と呼ばれるもので、
下地材は継続して使えるものの屋根材の傷みが激しく、塗り直しではきちんとリフォームできない場合に選択されます。
元から葺き替えるよりは費用を抑えられますが、100万円くらいは必要になります。
屋根が二重になるので断熱効果が高まったり、工事日数が5日程度で済むなどのメリットもあります。

新しい屋根に葺き替える方法は、塗り直しもカバー工法もできないほど傷みが激しい場合に用いられます。
現在葺いている屋根の撤去費用や下地材の補修費用もかかるので、150万円~200万円ほど必要になります。
せっかく葺き替えるならば、進化した軽い素材の屋根材を選択して耐震効果を大きくしたり、
断熱材を入れて快適度をアップさせたりするなど、業者にいろいろと相談してみるのも良いでしょう。

屋根と外壁は一緒にリフォームしましょう

戸建住宅を新築してから10年ほど経過すると、そろそろリフォームを考える時期にさしかかります。
これから家を建てようとしている方は、新築当初から折りにふれて家の様々な箇所の状態をよくチェックし、
劣化の程度がどのくらいのものか、何年くらいで劣化するのかなどを把握できるようにしておくと良いでしょう。
経年劣化の度合いは、その家ごとに違います。立地、日当たり、住む人の人数や性格など、
様々な要因で変わってきますから、一概にこのパーツはこの年数でリフォームするべき、とは言えません。
また、一口にリフォームと言っても規模は様々。ホームセンターなどで材料を購入して自分でできるものから、
専門の業者を選定してお願いするものまで、いろいろあります。

さて、いよいよ具体的にリフォームを考える時期が来ると、手を入れたいところがいくつもあって、
どうやって優先順位をつけようかと悩む方もおられるようです。

しかし最も優先したいのは、引き続き安心して居住する為のリフォームです。
中でも屋根は、最重要箇所と言えます。
普段、屋根を上から見下ろすチャンスは少ないと思いますが、屋根は思う以上に傷むものです。
一年中、昼も夜も日光や風雨にさらされ、過酷な状況の中であなたの家を守ってくれています。
美観的な視点も含め、一番に手を入れて、住宅の寿命を延ばしておきたいものですね。
タイミングを誤って時期を逸してしまうと、割れ目ができるなどして雨漏りの原因になることもあります。

尚、屋根のリフォーム時には足場を組むことになりますが、足場の費用だけでも数十万円かかりますから、
ぜひ壁のリフォームも一緒にしてしまうことをお勧めします。
一般的な戸建住宅で屋根と壁を塗装する場合、足場代も含めて、
およそ70万円程度を見込んでおけばよいでしょう。
購入時からリフォームのことを念頭に置いて、資金計画を立てておきたいですね。